Kompira enterprise v1.6.4 をリリースしました。
【新機能】
- NW機器との連携 (SSH/TELNET) に対応しました。
- ノードの種類を示す「ノード種別」型オブジェクトが新たに追加されました。
- NW機器についてもノード種別の一覧に加えていますが、動作確認済みの機種はその一部となります。
- NW機器との連携についていくつか制限事項がありますのでご注意ください。
- 「ノード情報」型オブジェクトが拡張されて、上記の「ノード種別」を選択できるようになりました。
- 添付ファイルのデータベースへの保存に対応しました。
- アップロードファイルサイズの制限を1GBに引き上げました。
- アップロード中にプログレスバーが表示されるようになりました。
- 制限を超えるサイズのファイルを添付しようとしたときにエラーが表示されるようになりました。
- エクスポートおよびインポートで添付ファイルも処理されるようになりました。
- フィールド修飾子を拡張しました。
- Enum/Object フィールドのフィールド修飾子に以下の機能が加わりました。
- 存フィールドの指定に対応しました(他の項目の入力値に合わせて、選択肢を切り替えられます)。
- SWITCH-CASE 条件の指定に対応しました(他の項目の入力値のパターンに応じて、選択肢を切り替えられます)。
- オブジェクトフィールドからの選択肢読み込みに対応しました(他のオブジェクトのフィールド値を読み込んで選択肢とすることができます)。
- Objectフィールドの修飾子で絞り込みと並び順軟に指定できるようになりました。
- 詳細についてはマニュアル「5.2.2. フィールド修飾子」を参照してください。
- Enum/Object フィールドのフィールド修飾子に以下の機能が加わりました。
【変更】
- 「ノード種別」型オブジェクト
/system/types/NodeType
を追加しました。 - 「ノード情報」型オブジェクトの定義に以下の変更が加わりました。
- 先頭に「ノード種別」フィールドが追加しました。
- 「接続種別」フィールドの位置が「ノード種別」フィールドの次になるように移動しました。
- 「接続種別」フィールドは「ssh または winrs」の選択肢でしたが、選択した「ノード種別」に応じて切り替わるようになりました。
- Windows ノードの接続種別が4種類から選択できるようになりました。
windows/https
: 最も安全ですが、サーバ側に正式な SSL 証明書の導入が必要です。windows/https-ignore-validation
: サーバ証明書の検証エラーを無視するため、自己署名証明書が利用可能です。windows/http
: HTTP通信ですがメッセージは暗号化されます。windows/http-unencrypted
: HTTP通信でメッセージは暗号化されません(非推奨)。- 互換性のため従来の接続種別
winrs
も利用できます。ただし、この場合はポート番号が指定されているかどうかで、利用するプロトコルが切り替わります。ポート番号として 5986 または 443 が指定されている場合は HTTPS が、5985 または 80 が指定されている場合は HTTP が利用されます。ポート番号が省略されている場合は HTTPS 接続を試みます。
- ジョブフローで指定できる接続種別
__conntype__
に指定できる値が追加されました。 - httpd のログについて日次で30個分ローテートする設定に変更しました。
- ジョブフロー上でのファイル型から
path
フィールドは廃止されました。 - 冗長構成で lsyncd/rsyncd サービスが不要になりました。
【修正】
- 型オブジェクトのフィールド修飾子で型の合わないデフォルト値を指定したときに不正に適用される場合がある問題を修正しました。
- 冗長構成でも httpd のログローテートができるように修正しました。
- テーブル画面の検索で同一オブジェクトが複数回表示される場合がある問題を修正しました。
- ディレクトリの find() メソッドで検索値を配列で指定した場合に期待した結果が得られない場合がある問題を修正しました。
- ローカル接続で shell に空文字列を指定すると Permission denied が発生する問題を修正しました。
- パターンと文字列を類似比較演算子で評価すると異常終了する問題を修正しました。
- プロセス詳細画面でジョブフロー終了時のプロセスステータスなど一部の文字列が翻訳されていない問題を修正しました。
- テーブルに関連付けたフォームの配列/辞書フィールドで操作の削除ボタンが消える問題を修正しました。
- フォームのURLに Array<Object> に渡すパラメータを渡すと 500 内部エラーが発生する問題を修正しました。
- テーブルの関連オブジェクトのフォームのEmailフィールドでaやcといった文字が入力できない問題を修正しました。
- REST API で添付ファイルフィールドのデータ登録・更新ができない問題を修正しました。
- Object フィールドの選択肢がタイムアウトでエラーになる問題を修正しました。
- ディレクトリの find() メソッドでオブジェクトを検索するときに内部エラーになる場合がある問題を修正しました。
- RHEL8環境でオフラインパッケージが作成できない場合がある問題を修正しました。
- REST-API でテーブルへのオブジェクト作成ができない問題を修正しました。
- name パラメータ無しで Directory オブジェクトに POST すると 500 エラーになる問題を修正しました。
- ファイル配列/辞書にファイルが添付されている設定オブジェクトをエクスポートした時にデータが空になる問題を修正しました。
【改善】
- マニュアル(共通)
- PDF 形式のマニュアルで一部の表が崩れて表示されていたのを改善しました。
- マニュアル – 管理ガイド
- オフラインインストール手順の説明を追加しました。
- 追加されたノード種別や接続種別などの説明を追加しました。
- ログファイルに関する情報(標準のログローテート設定など)を追加しました。
- 冗長構成のアップデート手順の説明を追加しました。
- マニュアル – 操作ガイド
- プロセス詳細画面の結果タブと設定タブの説明を追加しました。
- マニュアル – Kompira 標準ライブラリ
- フィールド修飾子の説明を追加しました。
- マニュアル – Kompira REST API リファレンス
- 添付ファイルフィールドに対する API を更新しました。
【注意点】
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v1.6.4 から添付ファイルがデータベースに保存されるようになり、また合わせてサイズ制限が緩和されました。データベース上では添付ファイルの実サイズより大きい容量を必要とするため、大きな添付ファイルを扱う場合はディスクの空き容量にご注意ください。
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v1.6.4 からサーバ上に添付ファイルの実体は保持しなくなりますので、サーバ上に添付ファイルの実体が存在することを前提としたジョブフローなどは正常に動作しなくなります。
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v1.6.3 以前からアップデートした場合、既存の添付ファイルは kompirad 起動時に自動的にデータベースに保存されます。そのため、添付ファイルの数が多い場合は起動に時間がかかる場合があります。また、データベース保存に移行した後も、添付ファイルに対応するサーバ上の実ファイルはそのまま残っていますので、不要な場合は手動で
/var/opt/kompira/upload
を削除してください。 -
冗長構成を v1.6.3 以前から v1.6.4 以降にアップデートした場合、pacemaker 配下で lsyncd サービスが動作する設定のままとなっています。v1.6.4 環境で lsyncd が動作していても影響はありませんが、lsyncd サービスを停止させる場合は冗長構成のアップデートが正常に終えたあとに、root 権限で以下のコマンドを実行してください。
# pcs resource delete res_lsyncd