【KE 2.0 の特徴】
- Docker コンテナアーキテクチャに移行しました。
- インストール作業が不要になり、コンテナイメージを pull してすぐに始めることができます。
- コンテナ化によりさまざまなシステム構成に対応しやすくなりました。
- ジョブフローの同時実行時の性能が向上しました。
- Kompira エンジン内部でエグゼキュータというプロセスが複数起動して並列してジョブフローを実行できるようなりました。
- システム全体でエグゼキュータをいくつ起動できるかはライセンスで制限されます。KE 2.0 向けのライセンスに新たに「Executorオプション」が導入されました。詳細は営業担当にお問い合わせください。
- ACT/SBY 型冗長構成からマルチACT型クラスタ構成に移行しました。
- 冗長構成では従来は ACT/SBY 型でしたが、3台以上によるクラスタ構成に対応しました。
- すべてのノード上でエンジンが並列実行することで、ジョブフロー動作のスケールアウトが可能になりました。
【クイックスタート】
Docker エンジンと git コマンドがインストールされているサーバであれば、以下のコマンドを実行することですぐに使い始めることができます。
$ git clone https://github.com/fixpoint/ke2-docker.git
$ cd ke2-docker/ke2/single/basic
$ docker compose pull
$ ../../../scripts/create-cert.sh
$ docker compose up -d
【新機能】
- spawn() 組み込み関数
- 従来の fork ブロックなどによる子プロセス実行では、同じエグゼキュータ上での動作になり、並列実行にはなりません。いずれかのエグゼキュータで新しいプロセスを開始できる、新しい実行方法として spawn() 組み込み関数が追加されました。
- Process.terminate() メソッド
- プロセスオブジェクトに Process.terminate() メソッドが追加されました。別のジョブフロープロセスからこのメソッドを呼び出すと、対象のプロセスを強制終了させることが出来ます。
- ジョブフロープロセスの自動再起動モード
- Kompiraエンジンが異常終了した際に動作中であったジョブフロープロセスを、別のエンジン上で自動的に再起動できるモードが追加されました(処理中動作の継続ではありません)。
【注意点】
- KE1.6 までとジョブフローの互換性は高く、基本的にはそのまま動作します。ただし、一部仕様や挙動が変わっている部分があります。移植する場合は十分に動作確認を行なうようにしてください。また必要な場合は仕様変更に合わせてジョブフローの書き換えを行なってください。
- コンテナ環境になりシステムの運用手順(たとえば管理コマンドの実行方法)などが変わっています。新たに KE 2.0 管理者マニュアル を用意しましたので、こちらを参照してください。
- KE2.0 でマルチエグゼキュータになり並列実行による全体スループットの改善が見込めますが、そのためには複数のジョブフロープロセスが分散して同時実行できるように設計する必要があります。既存のジョブフローを移植しただけで処理性能が改善するわけではありません。
- システム内部のサービス間連携のオーバーヘッド増加により、シングル構成では KE1.6 よりパフォーマンスが低下する場合があります。